スーパーの青果部門で
性格も行動も正反対の先輩がいた
Aさんは
片っ端から売り場を埋めていく
玉ねぎと出すときにも100%
大根を出すときも100%
売場をマックスに埋めていく
売場が派手に見えるのと
1日の作業にひと段落するのが夕方のピーク前
最初は私もこのやり方を覚えて
結構気に入っていたが
欠点も多かった
我々目線の作業終了は夕方前だったが
お客様目線で一通りの品物がそろうのも
夕方前なので
午前~から15時ぐらいのお客様は
何かしらそろっていない状況が続く
そう15時ぐらいに一通り積んで
食事休憩になる
夕方には
朝一番に山積みした葉物類は
ちょっと元気を失くしている
それに対してBさんは
朝から晩まで
コツコツ コツコツ
同じペースで淡々と仕事を続ける
1日100個売れるものも
10個や20個ずつ並べていく
少しずつだから
全ての商品が並ぶのは
開店時間とほぼ等しい
12時前だというのに
一通り売り場が作れたら
さっさと食事休憩をとる
午後も 10個や20個ずつ
コツコツ コツコツ
品物を運んでいる
派手さも豪快さも無いのだけれど・・・
売場はいつも出したばかりの商品がある
今朝入荷した 同じ商品なのに
今 出したばかりの方が新鮮に見えるのか
お客様が早い者勝ちとばかり
ささっと買っていく
市場の基準を通った野菜とはいえ
自然の作物ですから
数パーセントの大きさの違いは必ずある
だから大きなものから売れていき
小さなものが残っていくのは当然なのだ
Aさんの売り場は
ピークタイムが終わると
やや小ぶりなものばかりが残り
売場は値引きシールが山ほど並び
それでも売れない状況になる
Bさんの売り場は
こまめに品出ししながら
これは小さいかな?という商品を
少しだけ値引きする
すると 大きさも鮮度も微々たる差なので
すぐに売れてしまう
だから 朝から夕方まで
質の高い売り場が続いている
最終的な廃棄や値引きが少ない
売場にいる時間が長いので
お客様と接するタイミングが多い
お客様の声も集まりやすい
まあ 地方のスーパーといえど
当時の地域としては大きなお店
大型店に近い作業や考え方が
かっこよく見えたのもあります
しかし 極小店あがりの
Bさんのやり方が
とても 面白いというか
理にかなっていると思う
小売店の皆さん
1日10個運ぶものを
4回~5回に分けて
運んでみてはいかがですか